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研究テーマ

研究テーマ

遺伝性皮膚疾患解明プロジェクト

生まれつきの症状を伴うさまざまな皮膚疾患があります。これらの疾患の病態形成メカニズムを明らかにすることにより、新しい治療の開発に結びつけるだけでなく、皮膚が備える未知の機能を解明します。

-研究概要

1.新しい遺伝子診断方法の開発

診断の困難な先天性、遺伝性の疾患について、スピーディかつ安価な遺伝子診断法の開発を行っています。具体的には、既に遺伝性の皮膚疾患の原因となることが判明している遺伝子約500種類について、次世代シーケンサを用いてコーディング領域を全て一気に解析し、見つかった遺伝子変異と臨床症状から確定診断する系を動かしています。これまで臨床症状からは診断が困難であった例も、遺伝子検査から診断がつくようになることで、早期に適切な治療を受けられるだけでなく、合併症の早期発見や予防も可能になると期待しています。

2.新規疾患、新規原因遺伝子、新規病態メカニズムの解明

原因遺伝子が未知の遺伝性疾患や、上記のスクリーニングで原因がわからない症例について、エクソーム解析を用いた原因遺伝子探索を行っています。具体的には、我々のゲノムDNAのうち、蛋白質を直接コードしている約25000遺伝子のエクソン領域全てについて、次世代シーケンサを用いて解析して変異を探すという方法を用います。これは多施設共同研究として行っています。2013年には、本手法を用いて、これまで原因が不明であった長島型掌蹠角化症の患者さんより提供いただいたゲノムDNAの解析をおこない、SERPINB7の欠損が長島型掌蹠角化症の原因であることを明らかにしました(Am J Hum Genet 2013)。2017年にはILVEN(炎症性線状疣贅状表皮母斑)を引き起こす原因遺伝子としてGJA1を初めて同定しました(JID 2017)。2019年には、線状汗孔角化症と日光播種型汗孔角化症がそれぞれ、胎生期に生じた1つのセカンドヒットと、壮年期にそれぞれ独立に生じた多数のセカンドヒットによって発症する、細胞増殖性疾患であることを明らかにしました(JID 2019)。2020年には、CDC20を原因遺伝子とする新規早老症/多彩異数性モザイク症候群を報告しました(Aging Cell 2020)。2021年には、加齢とともに首や腋窩に出現するアクロコルドン/スキンタグが、顔や背中に現れる脂漏性角化症と同じスペクトラムの遺伝子変異を持つケラチノサイトが原因となって発生することを明らかにしました(JID 2021)。

【長島型掌蹠角化症はこんな疾患です】長島型掌蹠角化症-疾患の発見から原因遺伝子の解明へ-(こちらをクリック)

【汗孔角化症はこんな疾患です】汗孔角化症の発症メカニズムを解明 〜日本人の400人に1人が発症素因を持つことが明らかに〜(こちらをクリック)http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/medical_info/science/202001.html

3.疾患特異的治療法の開発

分子病態に基づいた新しい治療法の開発を行っています。稀少疾患に対するオーダーメード医療にも力を入れています。長島型掌蹠角化症の患者さんの悩みの種である、手足の臭いが生じるメカニズムを研究し、その臭いを軽減させる外用療法をおこなっています。また、CHILD症候群(Congenital hemidysplasia with ichthyosiform erythroderma and limb defects syndrome)の皮疹に対してスタチン製剤とコレステロールの混合軟膏の外用による治療をおこなっています。

-主な成果

Aoki S, Hirata Y, Kawai T, Nakabayashi K, Hata K, Suzuki H, Kosaki K, Amagai M, Kubo A*. Frequent FGFR3 and Ras Gene Mutations in Skin Tags/Acrochordons. J Invest Dermatol. 2021. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33940034       

Fujita H, Sasaki T, Miyamoto T, Akutsu SN, Sato S, Mori T, Nakabayashi K, Hata K, Suzuki H, Kosaki K, Matsuura S, Matsubara Y, Amagai M, Kubo A*. Premature aging syndrome showing random chromosome number instabilities with CDC20 mutation. Aging Cell. e13251, 2020. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33094908

Kubo A*, Sasaki T, Suzuki H, Shiohama A, Aoki S, Sato S, Fujita H, Ono N, Umegaki-Arao N, Kawai T, Nakabayashi K, Hata K, Yamada D, Matsubara Y, Kosaki K, Amagai M. Clonal Expansion of Second-Hit Cells with Somatic Recombinations or C>T Transitions Form Porokeratosis in MVD or MVK Mutant Heterozygotes. J Invest Dermatol. 2019 Dec;139(12):2458-66.e9. doi:10.1016/j.jid.2019.05.020. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31207227

Umegaki-Arao N, Sasaki T, Fujita H, Aoki S, Kameyama K, Amagai M, Seishima M, Kubo A*. Inflammatory linear verrucous epidermal nevus with a postzygotic GJA1 mutation is a mosaic erythrokeratodermia variabilis et progressiva. J Invest Dermatol. 137:967-970, 2017. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27890787

Kubo A*, Shiohama A, Sasaki T, Nakabayashi K, Kawasaki H, Atsugi T, Sato S, Shimizu A, Mikami S, Tanizaki H, Uchiyama M, Maeda T, Ito T, Sakabe J, Heike T, Okuyama T, Kosaki R, Kosaki K, Kudoh J, Hata K, Umezawa A, Tokura Y, Ishiko A, Niizeki H, Kabashima K, Mitsuhashi Y, Amagai M. Mutations in SERPINB7, Encoding a Member of the Serine Protease Inhibitor Superfamily, Cause Nagashima-type Palmoplantar Keratosis. Am J Hum Genet. 93:945-956, 2013. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24207119

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